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しぇぞう様FC(仮
テキストの部…?
著者 : 優緋 さん




〜アルルとシェゾの災難〜

〜1〜


「アルルちゃん はいジャガイモとにんじん」
アルルは今、リラクスの町の八百屋にジャガイモとにんじんを買いに来ていた
「ありがとう おばさん」
差し出された 袋を受け取る
「あぁぁぁぁぁ!! ボク、早く帰らないとカーくんが」
「そうかい じゃあ早く帰ってあげなきゃね」
「うん またねおばさん」
元気よく頷くと八百屋を後にした
アルルは亜麻色髪に金茶の瞳をした 元気いっぱいの女の子
「あれ?」
アルルがちょうど長い坂道に差し掛かった時 見慣れた青年に目が止まった
 銀色の髪に青のバンダナ 切れ長の青い瞳に 全身黒ずくめの青年
アルルにしてみれば会いたくない分類にしょうされる、青年の名前はシェゾ・ウィグィィ
 神を汚す華やかなる者 と言う意味を持つらしい
(シェゾ・・だよね・・)
シェゾはアルルに会うたびに「お前が欲しい!」などと言う変態なのだ
ただ、それが言葉の足りないだけだとアルルは知る余地はないのかなぁ?
「・・・・・・・・・・・」
アルルは、カーくんが待っているという事と シェゾに関わると
ろくな事が無いという事から、そろそろと後ず去る
幸運なことにシェゾは何か考え事をしているみたいなので、こちらに気が付いていない
アルルは、急いで坂道を降りるが・・・
「おい・・・」
シェゾは、ばっちりとアルルの気配に気が付いていた
「えっ! あっ!?」
「なに!?」
アルルは、いきなりシェゾに声をかけられた事と駆け足で坂道を降りている事が重なり足が縺れてしまい
「うっうわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
坂道を転げ落ちる
それの先にはシェゾがいる
ドン!!
「えっうっうわあぁぁぁぁぁぁぁ!!?」
そしてシェゾは、アルルに巻き込まれ坂道を転げ落ちるはめになってしまった
「イタタタタ・・・」
「つぅ〜・・・・・・おい!」
シェゾは、はっとしたように顔を下に下げる
「えっ」
アルルはそれに答えるように上を見る
「「えっ?」」
二人が階段から転げ落ちる間に二人に異変が起きていた
「なんでボクが上にいるの?」
「なんでオレが下に居るんだ?」
二人はそのまま硬直していた
今の二人にはアルルにはアルルが見えシェゾにはシェゾが見ている状態だった
「どういう事?」
「なんでオレが下に?」
とりあえずシェゾは立ち上がり歩き始める
アルルも立ち上がる
しかしシェゾとアルルにはあたりの物がさっきとは違った形で見えていた
シェゾには自分の前を歩く若い女性が自分より高く
アルルには女性が低く見えるのだ
そんな事はありえるはずがない
シェゾはふと隣に居るアルルを見た
「なっ!?」
しかし、そこに立っているのは自分、そうシェゾ自身だった
でも、自分はここに居る、ここに居るのだ、となると、さっきのは幻ではなかった
そういう事になる
(ちょっと待て・・・これはいったいどういう事だ!?)
アルルもまた少しぎこちなく笑いシェゾ(アルル)を見た
そして・・・・・硬直した
「なんでボクが前にいるの!?」
自分は、ここに居るのに目の前で自分が考えこんでいるのだ
紛れもない自分自身が前に立っているのだ
幻だと思ったものは幻ではなく本物だった
それに自分の声も心なしか(間違いなく)低く男の人のような声をしていた
―入れ替わった―
二人の脳裏に同時に言葉が浮かんだ
 確かにそうとしか考えられないだろう 自分がここにいるのに自分が前に立っている
いわゆる 人格交換みたいな物がアルルとシェゾに起こったとしか考えられないのだ
「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」
「オレにもやっと運が回ってきたらしいな(ニヤリ)」
驚くアルルに対し、シェゾは何やら悪い考えをしたらしくその口元はつりあがっていた
「アルル! お前の魔導力、オレがもらった!」
「もう! どうしていきなりそういう事になるんだよ!
今はそんな事より元に戻るか考えなきゃいけないんじゃないか!!」
アルル(シェゾ)に対しシェゾ(アルル)は大きな声を上げる
「お前の魔導力をオレに注ぎ込めばお前の魔導力はオレの物になる」
「だから!・・・・あっあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!
いっけない カーくんが家で待ってるんだ 急いで帰らなきゃ!」
アルルはそう言うと急いで走り始めた
「おい! どこに行く気だ!?」
それをシェゾは慌てて追いかけていく
しかし、アルルはいつもより早く走れる、が・・・シェゾはいつもより遅い
「アルル! 待て!」
「イヤだよ! どうせ、お前の魔導力をオレに注ぎ込むとか何とかそう言う事いう気でしょ!!」
「よくわかったな!」
「もう! どういう神経してるんだよキミは!!」
二人はそんな会話をしながら走っていく
一言、言うとかなり怪しい・・・怪しすぎる!
「お前(の魔導力)が欲しい!!」
シェゾはアルルの姿でそう言った
「うあぁぁぁぁぁぁぁぁ! ボクの体でそんな変態台詞言わないでよ!!」
シェゾの姿でアルルは叫び そして逃げる
「お前こそオレの身体でそのしゃべり方は止めろ!!」
「シェゾよりマシだよ〜! シェゾのせいでボクまで変態の仲間入りしちゃったじゃないか!」
「オレだってお前のせいで変態扱いされてるじゃねぇか!!」
「シェゾは元から変態じゃないか!」
「なんだと! もう一度言ってみろ!!」
「何度でも言ってあげるよ! この変態!!」
アルルは変態と言うところを大きく強調して言う
「お前・・・自分で自分を変態にして楽しいか?」
シェゾの言葉にアルルは辺りを見る
 周りにはたくさんの人がこっちを見ており その中でもシェゾ=自分の体が
何やらひそひそ話をされながら見られているのだ
「うっうぅ・・・シェゾがボクの身体で「お前が欲しい」なんていうから・・
ボクが変態扱いされるんじゃないか!!」
「オレが変態扱いされてるわけじゃない! お前が変態扱いされているだけだ
オレからして見ればお前のせいでオレが変態扱いされたらどうしてくれる気だ!?」
「そんなこと! ボクには関係ないもん、だいちにシェゾは元から変態じゃないか!!」
アルルは泣きそうになるの必死で堪える
「オレの身体で泣くなよ!」
「泣いてないもん」
「ママ、あのお兄ちゃん達 楽しそうに遊んでるよ」
二人の耳にまだ幼い少年の言葉が突き刺さる
 その少年の声がした方を見ると 幼い少年がこっちを指差しながら母親の服を引っ張っていた
「しっ! 指差しちゃいけません」
母親は少年から二人が見えないように何処かへと連れて行く
そうまるで逃げるように
「「・・・・・・・・・・・・」」
二人はそれにしばらく言葉を失った
「ほら――――――っ!! シェゾのせいでボクまで変態扱いされてるじゃないか!!」
「心外だな 今回はお前が原因だろうが」
「ボクじゃないもん!」
シェゾの言葉にアルルは叫ぶ
「じゃあ この状況をどうやって説明する気だ」
周りの視線は全てアルル=シェゾに注がれていた
どう見てもこの状態はシェゾ=アルルよりアルル=シェゾの方が変態扱いされている
「・・・・・・・・・・シェゾが「お前が欲しい」なんて叫ぶから〜!!」
アルルは泣きそうな声で叫ぶ
「だったらお前がオレの事を変態って言うからだろうが!!」
「だって本当のことじゃないか!!」
「違う! オレが欲しいのはお前の魔導力だ!! 誰がこんなチンチクリン」
「ひっひどいよ〜!! シェゾ〜!!」
「オレの身体で叫ぶな――――!!!」
ヒソヒソヒソヒソ・・・・
ヒソヒソヒソ・・・・・
二人はあたりの声に言葉を止める
「とりあえず・・移動しよう」
シェゾはその場を逃げるように立ち去った
「あっ待ってよシェゾ!!」
アルルもその場を後にした

そして二人がその場を後にした瞬間
「今のはいったい何だったのかしら?」
「きっと恋愛のもつれですわ」
「そうですか? 私にはそう言うふうに見えませんでしたけど・・・」
「そうですよ、でなきゃ いったい何処にああいう会話をする必要があるんですか?」
そのようなまったくの見当違いな話が持ち上がった
もしこの場にアルルが居たならきっとこう叫んでいただろう
「ちっちがうよ―――――っ!!!」


〜2〜


アルルはとりあえず、家に帰った
「ただいま〜・・・」
アルルは小さくため息をこぼし椅子に座った
「ぐぅ?」
机の上に立っていたカーバンクルが不思議そうな声を上げる
「ただいま、カーくん」
アルルはぎこちなく笑い
「ぐっ?」
カーバンクルは首を傾げた
 それもそうだろ、いつもならアルルが座っているその椅子にシェゾが座っているのだ
しかも大きなため息を付いて
「おい」
ドアの外からカーバンクルの聞きなれた声が聞こてくる、シェゾだ
「ぐぅ?」
カーバンクルは不思議そうな顔をさらに不思議そうにする
まあ、失礼ながら普段とあまり変わりないような気もしない
「もう、今は一人にしてよ!」
「あのなぁ、これはお前だけの問題じゃないんだぞ!」
「そんなこと・・・・言われても今は何もやる気になれないよ!」
「お前な〜・・・」
「だって・・・・カーくんですら・・・ボクの事に気が付かないんだよ!」
アルルは今にも泣きそうな声で言う
「ぐぐー!!」
そんな アルルの言葉にカーバンクルは一生懸命首を振り始めた
「カーくん・・・」
「ぐっぐぐ♪ ぐっ♪ ぐー♪」
カーバンクルは、まるでアルルを励ますように踊り始めた
「ありがとう カーくん・・・そうだね 落ち込んでても何も解決しないよね」
アルルはそう言いにっこりと微笑んだ
「そうだ! ルルーなら何とかしてくれるかもしれない」
「ぐっぐぐぅ?」
アルルの言葉にカーバンクルは不思議そうな顔をする
「そうだよ だからね?」
アルルはそういうとカーバンクルを肩に乗せ家を出た
「おい・・・」
「シェゾ、ボク今からルルーに相談しに行こうかと思うんだ」
「あの女に話して何とかなるものなのか?」
アルルの言葉にシェゾは小さくため息をこぼす
「でも、何もしないよりずっとマシだと思うよ だから、ボクちょっと行ってくるね」
アルルはそうにっこりと微笑むとゆっくりと歩き始めた
「おい、その前に・・・」
シェゾの言葉にアルルはビクリと体をこわばらせる
「まさか・・・」
「アルル、お前(の魔導力)が欲しい!!」
「だから〜! これ以上ボクを変態にしないでよ〜〜〜!!!!」
アルルはそう言うとものすごいスピードで走り始めた
「待て!!」
「待てって言われてダレが止まるんだよ〜!!!」
アルルは今にも泣きそうな顔をする
「ぐぐぅー」
カーバンクルが何か言うと
「そうだね!」
アルルは頷き左に大きくそれ森の中に入っていった
「おっおい!」
シェゾも急いで後についていく
「ここを抜ければルルーの家だもんね」
アルルはさらにスピードを上げる
「おい! 待てって言ってるだろが」
シェゾも一生懸命走るが アルルに追いつけるはずも無かった
だって、アルルはシェゾでシェゾはアルルなのだから体力に違いがあって当然なのだ
「くそ!」
シェゾはアルルを見失わないように走りつづけた

バン!!!
突然 ルルーの屋敷のドアが取れんばかりに勢い良く開く
「!?」
偶然 玄関の近くにいたルルーが驚いたようにドアを見る
「なんで、アンタがここに!?」
ルルーはドアの前にいる人物を見てさらに驚いた
「はぁ・・・はぁ・・・間に合ってよかった〜」
その人物は屋敷に入ったとたん安堵の表情を浮かべため息をつく
「なんで、シェゾが・・・・」
「なんでって言われても・・・」
「アンタね、その気色悪いしゃべり方とっととやめなさいよね!!」
「気色悪いってそんなヒドイよ、ルルー」
シェゾがそう言った瞬間、ルルーは顔をしかめ自分を抱きしめるような格好をする
よく見るとルルーは鳥肌を立てていた
「あっそっか・・・ボク今はシェゾなんだっけ・・・」
シェゾは何かを思い出したような声を出す
その時!
バン!!
またもや、勢いよくドアが開くと同時に
「みっ見つけたぞ! アルル!」
大きな声も響いてきた
「アっ、アルル!?」
ドアを開けた少女に向かってルルーは驚きの顔を向ける
「もう! いいかげんにしてよ!!」
「それはこっちの台詞だ・・・・人を、散々走り回らせやがって!!」
勢いよく入ってきたアルルはかなり息が乱れていた
「そんな事、言われてもボクには関係ないよ」
「ちょっちょっと待ちなさいよ・・・アンタたちなんかヘンよ・・・」
二人の会話にルルーが困惑した顔で問い掛ける
「そうか・・・お前は知らないんだな」
「なっなによ・・・どうしちゃったのよアルル!」
「うん、あのね・・・・・・・・・」
シェゾ(ルルーにしてみればアルル)に問い掛けるルルーの言葉に答えたのは
アルル(ルルーにしてみればシェゾ)だった

「・・・・・・・・・・・・・」
アルルの説明が終わると同時にルルーは黙り込む
「わかったか?」
「だいたいわね」
アルル=シェゾの言葉にルルーはいつもの表情に戻る
「そうか」
「それで 私にどうしろって言うのよ まさか、何か教えてちょうだいとか言うんじゃないでしょうね」
「うん」
ルルーの言葉にアルルはすんなり頷いた
「・・・・・・・アンタね、私にだってわからない事の一つや二つ!!」
「いつもは、何でも聞けとか言ってるくせにわかんねぇのか」
ルルーの言葉の途中にアルル=シェゾが悪態をつく
「なんですって〜! アンタ分かるとでも言うわけ!!!」
「お前はそんな事もわかねぇのか」
シェゾは言葉どおりの口調でルルーに言う
「それってどういう意味よ!!」
「そのまんまの意味に決まってるだろう」
シェゾは、呆れたように言う
「なんですって〜!!! 変態のくせに!!!」
「なんだと!! オレは変態じゃねぇ!!! この脳みそ筋肉女!!!」
「アンタこの私とやろうっての!!」
「やってやろうじゃねぇか!」
「ちょっと待ってよ!!」
今にも喧嘩が始まりそうだった二人の間にアルルが割ってはいる
「二人とも落ち着いてよ 今、争ってどうなるんだよ、シェゾ
それにルルー、それはボクの体なんだよ 鉄拳なんてくらわせないでよね」
アルルの言葉にしばらく沈黙が続いた
「・・・・・・・・・・・・ふぅ〜」
ルルーが大きく溜息をつき、構えていた拳をゆっくりと下ろした
「確かに、アンタのチンチクリンな体に私の鉄拳を食らわすのはちょっとやばいわね」
ルルーはシェゾを見ながらそう言った
「ちょっとルルー! チンチクリンっていったいどういう意味!?」
「そのまんまの意味よ 確かにアンタ達がそのままでいるって言うのは
いくら私でも、がまん出来ないわね」
ルルーは二人を交互に見る
「ボクだってそうだよ!シェゾのせいでボク・・・ボク・・・
町で変態扱いされたんだから〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!」
アルルは低い声でめいいっぱい叫んだ
「確かにシェゾと同類に見られるのは辛いわね」
ルルーは、哀れんだ(同情した)声で言いアルルを見る
「おい! それっていったいどういう意味だ!!」
「そのまんまの意味よ」
「そのまんまの意味だよ」
シェゾの言葉に二人は同時に答えた
「アルル・ナジャ お前の魔導力が今オレの手の内にあることを忘れるなよ」
シェゾはいつものアルルの不雰囲とはまったく違う不雰囲であたりを覆う
「わかってるよ でも、ボクの魔力はあげないからね!」
アルルは、そう言うとルル−の傍による
「まったくこの変態は元に戻る方法 知りたくないわけ?」
ルルーは余裕の表情で言う
「どうやって戻るの?」
「そんな事、今言える訳ないでしょ」
「あっ、そっか・・・」
「お前の言いそうな事くらい想像がついている どうせサタンに頼む気なんだろう」
ルルーに対しシェゾは呆れたようにそう言い放つ
「えぇ 確かにそう言うつもりだったわ でも、アンタがアルルの魔力をあきらめない限り
アンタが元に戻れないって私はそうも言いたかったのよ」
「どういう意味?」
「サタン様は、お優しい方なのよ アルルの魔力がアンタに奪われている状態でサタン様が
二人を元に戻すはずないでしょ? 元に戻るか、そのままアルルの魔力を自分の物にして、
アルルの姿のまま一生いるのとどっちがいい? 答えなさい」
前半、祈るように 後半をビシッとシェゾを指差し ルルーは言った
「ちっ・・・」
シェゾは、舌打ちする
そのまましばらく沈黙が続いた


〜3〜


三人と一匹?は今、サタンの塔に向かっていた
結局 シェゾは、今だけはと言う事でルルーの言葉を承諾した
二人はしぶしぶと言った感じだが、ただ一人 ルルーだけは浮かれていた
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・」
かなりの間、沈黙が続いてる
この三人、特にルルーとシェゾが一緒に居て言い争いを起こさないとなんだか違和感を感じる
「あっあのっさ」
長い間の沈黙を破ったのはアルルだった
「何よ?」
「ボクとシェゾは・・・あの坂道を転げ落ちってこなちゃったんだ・・・」
「あの坂道で? でもあの下の道は、タイルでしょ? よく死ななかったわね」
アルル言葉にルルーは少し驚いていた
「あの坂道?」
「あら、アンタ知らないの?」
シェゾの疑問が含まれていた言葉に、ルルーは少し嫌味な口調で
「あの坂道って言うのはリラクスの町にある すっご〜く長い坂道の事よ」
「そんな事か」
ルルーの説明にシェゾはくだらん事を聞いたと呟いた
「あら、そんな事ってあの坂道はけっこう有名よ 確か恋愛成就とかロマンチックな伝説があるのよね
そんな事も知らないなんてアンタってやっぱり・・・」
「なんだよ」
「ロマンの欠片もないのね」
「オレには、そんなもん必要ないし、欲しいとも思わん」
ルルーの言葉にはシェゾは歩く速度を少し早くする
「やっぱり変態にはロマンなんて言葉・・・・」
「誰が変態だ!? この脳みそ筋肉女!!」
ルルーの言葉にシェゾは足を止めルルーに食って掛かる
「アンタよアンタ!! 耳腐ってんの!? だいたい人の話し聞いてるの!?
私はアンタにとってロマンって言葉、遠くの遠くの遠くの遠くの(かなり中略)遠くの遠くの
遠くの話かって聞いてるのよ!!!」
「も〜・・・・カーくん二人ともほっといてボク達は先にサタンのところに行っこか」
アルルは溜息をついた後、肩の上にいるカーバンクルに問い掛けた
「ぐー!」
カーバンクルは「そうだね」といったように頷く
「だよね!」
アルルも頷くとその場をゆっくりと後にした
後に残された二人は・・・・
「だいたい、アンタはいつもいっつも・・・・!!」
「それはお前だろうが!!」
と喧嘩していたのは言うまでもない
サタンの塔までだという、この旅は二人が入れ替わった事で前途多難なようである(?)

あれから数日した夜・・・・
 サタンの塔まで、もうそんなに時間がかからないまで来ていた
「サタン様〜・・・」
「カーくん・・・今カレー作るからね・・・」
「ぐー・・・・」
「わかってるから おとなしくしててよ!」
静かな夜に二人と一匹(?)の寝言が辺りに響く
「・・・・・」
その中でたった一人 少女(青年)が月を見上げていた
いつもは明るく元気な少女の横顔は何処か凛々しかった
そして、何より月の光が似合っていた
「・・・・・・・・・・・」
少女(青年)はどうやったら元に戻れるか だいたいの想像は出来ていた
しかし、それはあまりにも無謀で危険な物だったのでサタンを頼ることにしたのだった
もう一つ青年の脳裏には他の疑問が浮かんでいた・・・が、それは本人ですら分からない物だった

「後もう少しでサタン様に会えるのね」
サタンの塔を前にしルルーは目を輝かせていた
「さあ! 早く行くわよ! もたもたしてたら許さないんだから!! 足手まといもね!!」
しばらく塔を見つめていたルルーは、いきなり後ろを振り返り
自分の後ろにいる二人に脅しをかけるような勢いで言った
「うっ、うん」
「誰がお前の足手まといになるんだ お前こそ足手まといにならんようにしろよ」
「なんとでも言いなさい! 私は今 サタン様に会える喜びに浸っているんだから・・・」
ルルーは幸せそうに言った後
「少しでも邪魔したら鉄拳よ! 鉄拳!!」
そう二人に脅しをかけ、塔の中に入っていった
「ルルー・・・どれぐらいサタンに会ってないんだろ?」
ルルーの様子を見ていたアルルは無意識にそう呟いていた
「行くぞ!」
「えっ? あっ!」
アルルが少し考え事をしている間にシェゾも塔の中に入っていた
「ちょっと待ってよ〜」
アルルは急いで塔の中に駆け込んだ

ドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキ・・・・・・・・・
アルル達は大きな扉を前に止まっていた
「ねぇ・・・ルルー? 何日サタンに会ってなかったの?」
「・・・・・忘れたわ」
ルルーの返答にアルルはズル!っと勢いよく扱けた
「あっあのね〜」
「でも、恋しする乙女には時間なんて短いようで長いのよ そして長いようで短いの・・・
会えない時の時間は計れないぐらい長いし 会えればその時間は短いの・・・
会えた喜びで・・・時間なんてあっという間に逃げてくんだから」
ふっとルルーは女性らしい顔をして呟きのように続ける
「時間を捕まえて「このままここに居なさい」って言いたくなるぐらい大切な人といる時って短いのよ」
「ふ〜ん」
「なっ、なんてね・・・・・・チンチクリンでお子ちゃま思考のアンタに分かるけないわよね」
ルルーは誰の目から見ても動揺していた、と言うか照れていた
(ルルー・・・ホントにサタンに会いたかったんだね)
アルルは、そう思いながら穏やかな顔でルルーを見ていた
ルルーは、顔を隠すように扉の前に立ち、開ける
そしてゆっくりとルルーの顔は、嬉しそうに変化していく
扉の中には 緑色の髪に金色の角が生えた男性が立っていた
「サタン様、お久しぶりです」
「ん? ルルーか」
サタンの言葉にルルーは
「はい」
っと答えた
「ホント、久しぶりだねサタン」
「おぉ! カーくん」
サタンは、カーバンクルが目に入った瞬間抱きつこうとした
「ぐぐ―――――――――!!!!」
それに対し、カーバンクルはいつものようにカーバンクルビームをサタンに食らわす
「カー・・くん、相変わらず・・・い・いビーム・・・だ」
サタンはそう言うとばたんきゅ〜状態になってしまった
「サタン様!」
ルルーは、急いでサタンの元に駆け寄る
「話はとうぶん、先のようだな」
シェゾの呟きにアルルは呆れたように頷いた

「まったく呆れたもんだな」
目を覚ましたサタンに対しシェゾが悪態を付く
「なんです・・・」
「アルル、やきもちを妬くとは・・・・・」
ルルーの言葉を遮りサタンは起き上がりアルル(シェゾ)の傍により肩を抱く
どうやら目が覚めたばっかりで、頭がしっかりと働いてないらしい・・・
「ええい、気色悪いことするんじゃねぇ」
ドカ!!
その瞬間、シェゾはサタンの腹部に思いっきり肘鉄を入れた
「アルル・・・」
「どうやったらオレがやきもち妬いてるように見える!?
カーバンクルのビームで頭のねじでも飛んだのか!?」
「・・・・・サタン そのボクはボクであってボクじゃないよ」
「シェっシェゾ・・・お前何か悪いものでも食べたのか!?」
サタンは奇妙な物を見るかのようにシェゾ(アルル)見る
「実は・・・」
サタンの疑問に口を開いたのはルルーだった


〜4〜


「そういう事、か・・・・」
「どうにかならないかな〜・・・このままでいるのは何かと問題あるし」
アルルは今までのことを頭に浮かべ、心の底からそう言った
「・・・・・・・二つ戻る方法がある だが、一つは完璧な賭けだな」
「それはいったいどういうものなんです?」
「一つは入れ替わったときとまったく同じ状態にする・・・さっき聞いた話からすると
これは危険すぎる上に戻る可能性もすくないだろう」
シェゾは、その話を静かに聞いているが、いったって協力的なサタンにシェゾは疑問を持ち始めていた
「もう一つはいったいなんなの?」
「それは・・・・・」
「それは?」
「確実に元には、戻るだろう しかし・・・危険も伴う」
「「?」」
サタンの言葉にアルルとルルーは首を傾げる
「アルルとシェゾが入れ替わったのはおそらく 階段を転げ落ちる時、
ほんの一瞬 魂が体から離れ、それぞれの体に入ってしまったしまったのだろう」
「えっ? それだけで入れ替わったりするの」
「あっ!」
サタンの説明にルルーは手をぽんと叩く
「今頃 気が付いたのか?」
「うっさいわね・・・・」
「えっ? いったい何が?」
サタンの説明にただ一人分からない、アルルはルルーに疑問の眼差しを送る
「つまり 魂が抜けた時にアンタ達が転げ落ちていたのが原因
きっと抜けた魂が戻ろうとした時にこう・・・ねぇ?」
「ねぇ?っていわれても・・・」
「悪かったわね!! 説明しろと言われると難しいのよ!!」
「つまり・・・・説明できないんだね?」
ルルーの言葉にアルルはそう呟いた
「・・・・・・・・・・・・・・・・そうよ・・・・・・・・・」
「ねぇ シェゾは説明できる?」
アルルはシェゾを見下ろしながら言う
「オレを見下ろすのはやめろ」
「そんなこと言われても」
「ふぅ〜・・・・・単にオレの魂が戻ろうとしたところに、お前の体があって
お前の魂が戻ろうとした所に、オレの体があった そう思っておけ」
「・・・・つまり転げ落ちていた事がだいたいの原因?」
「それでいくと、そういう事になるわね」
「でっ、どうするんだ」
「もう一度、魂を抜き それぞれの体に戻す」
シェゾの問いにサタンはそう答えた
「なるほど確かに確実な方法だな・・・」
「しかし、体にかなりの負担がかかると思うぞ、お前達 それに耐えられるか?」
「どれぐらい?」
「私にもわからん・・・もしかしたら入れ替わった時とまったく同じ負担がかかるかもしれないし
・・・或いはもっと・・・」
「それぐらい覚悟できている」
サタンの言葉にシェゾはあたり前のように言う
「そうだね、こうなったのもボクのせいだし」
「なに言ってんのよ、アンタのドジはいつものことでしょ?
だいたい アンタのドジさを知っておきながら避け切れなかったシェゾにも原因があるでしょうが」
ルルーはちらっとシェゾを見る
シェゾは、何かを考えていたようで先ほどのルルーの言葉は聞こえてなかったようだ
「わかった準備しよう」
サタンは、そう言うと部屋を出ていた

「ねぇ・・・ルルー」
「だから、その声でその喋り方はやめなさいって言ってるでしょ!?」
ルルーは少し切れかけていた
それは仕方ないだろう・・・なんせ今ルルーと話をしているのは、
アルル口調のシェゾというなんとも言えないものなのだから
「サタン・・・・おっ、遅いな・・・」
「・・・・無理しなくていいから、喋らないでね」
「そっ、そんな〜」
ギロ・・・・・
ルルーは、アルルを睨み付けた
その腕には鳥肌がくっきりと浮かんでいる
(ひぃ〜〜〜〜〜・・・・)
それからまた、しばらくの時間が経った
「遅くなってすまなかったな」
部屋に軽いつむじ風が起こり
風の中からサタンが現れた
「用意は出来たのか?」
シェゾの問いにサタンは頷く
「そうか・・・」
「ルルー・・悪いが出て行ってくれないか?」
サタンはルルーを見た
「私ですか?」
そんなサタンの言葉にルルーは、自分を指差す
「そうだ・・・・」
サタンのただならぬ様子に アルルとルルーは同時に首を傾げた

ルルーは今、カーバンクルと一緒に扉の外にいる
なんでも、魂を取り出すときにすごい気の流れが起こるらしく、
ルルーとカーバンクルはそれが原因で部屋の外から出された
(いったい中では何が起こってるの?)
何度となく入りかけた扉の中
だけどその度にルルーはとどまった
サタンの言葉が本当だからだ
あの分厚い扉が数回 カタカタと揺らいだのだ
「ぐぅ〜・・・・・ぐぅ〜・・・・」
そんなルルーの気持ちを知っているのかいないのか、カーバンクルは幸せそうにルルーの隣で寝ていた
「まったくこの黄色いろのは・・・神経が図太いのか、ただ単に鈍感なのかよくわかんないわね」
ルルーは大きく溜息をついた

そして、その頃 中では・・・
「お前ならわかるのか?」
元に戻っていたシェゾが、サタンに何かを問い掛けていた
アルルは、負担に耐え切れなかったせいで気を失っている
「何のことだ?」
「アルルの魔導力がどんな物かだ、アルルの体の中にいたのにオレには・・・・」
シェゾは言葉を詰まらせた
「わからなかった、そうだな」
「・・・・・・」
サタンの言葉に シェゾは否定も何もしなかった
「アルルの魔導力・・・その事に関しては私にもわからん」
「ちっ・・・・」
サタンの返答にシェゾは舌打ちする
「じゃあな」
シェゾは、しばらく考えた後 その場を後にした
「シェゾよ、お前がアルルの魔力の源に気がつかなかったのは お前が分からなかっただけではない・・・・・
しかし、もし私がオマエに何もしなくとも・・・・・お前はアルルの魔力の源に
気付く事は出来なかっただろう・・・この私でさえな」
シェゾが立ち去った後、サタンは呟きルルーとカーバンクルが部屋に入れた
そして、アルルが目を覚ました後、二人と一匹は一緒に戻っていた
「しかし、今回の偶然はかなり危なかったな」
二人とカーバンクルが戻る姿を見ながらサタンは溜息をこぼした
サタンの言っている理由
それは、三人がこの塔に着た時、シェゾとアルルの体が本当の魂ではない魂を拒み始めていからだった
あのまま 二人をおいたらどうなっていたか、今となっては分からないが危ない事になっていた事は違いない
しかし、影響が出る前だったので二人の体はなんの異常も起こさず、それぞれの生活に戻っていった・・・・

そして・・・それから数十日後・・・・
「あんな事になったのにまだ懲りてないの!?」
ルルーは呆れたように言う
「うるさい! アルル 今度こそお前(の魔力)をオレの物にする!」
シェゾは、そう言いながらアルルに闇の剣を向ける
「も〜ぉ! あれから後、ボクが町の人達の誤解をとくのにどれくらい苦労したと思ってるんだよ!! この・・・・・」
アルルは力いっぱい言葉をためた後
「ど変態!!!!!!!」
そう続けた
そんな会話の後、三人がいつものように戦闘を始めたのは言うまでもない


〜end〜





人格 クルクルクルックルからヒントを得て書いたんですが・・・
異様な物を想像させてすいません!
ですが、気に入ってきただけたら光栄です

from 優緋 さん
優緋さんより小説が届きましたので掲載させていただきました。
だって、せっかくの力作なのに(龍)だけ楽しむのは…バチあたっちゃうから。

それにしても…人格の変わった2人が街で大騒ぎしてるの、読んでて笑っちゃいました。
そしてやっぱり気になる「あの坂」の言い伝え…もしかしたら今度聞けるのかな…?





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